火. 5月 12th, 2026

KBOの過酷なサバイバル:大ベテランの意地と「6週間限定」助っ人たちの悲喜こもごも

プロ野球という苛烈な舞台において、チームの浮沈は往々にしてマウンド上のドラマに左右される。今季のKBOリーグを俯瞰すると、酸いも甘いも噛み分けた国内の大ベテランたちが驚異的な粘りを見せる一方で、新たに導入された「負傷代替外国人選手」制度によって、かつてないほど目まぐるしく助っ人たちが入れ替わるという、興味深いコントラストが生まれている。

41歳、不屈のサイドスローが描く「初めての夢」

KTウィズのウ・ギュミン(41)は、間違いなく球界の生きた伝説だ。2003年のプロ入り以来、先発、中継ぎ、そしてクローザーのすべてを経験し、KBO史上唯一となる「通算80勝・90セーブ・120ホールド」以上(現在87勝89敗91セーブ120ホールド、防御率3.87)という空前絶後の大記録を保持している。SSGランダースのノ・ギョンウンと並び、リーグ最年長の現役投手である彼だが、その闘争心は全く衰えていない。

その真骨頂が発揮されたのは、5月9日のキウム・ヒーローズ戦だ。同点で迎えた延長10回裏、1死満塁という一打サヨナラの絶体絶命の場面で登板。打球が右脚を直撃するアクシデントに見舞われたものの、三塁側に転がったボールを痛みに顔を歪めながらも猛然と追いかけ、本塁へ執念の送球を見せてアウトをもぎ取った。そのままマウンドに留まり、続く打者を三振に仕留めてチームを救った姿に、イ・ガンチョル監督も「あの痺れる場面を任せられるのは彼しかいない」と全幅の信頼を寄せる。

今季好調を維持し、首位争いを演じるKT。実はウ・ギュミン、プロ21年目にして韓国シリーズのマウンドに立ったことが一度もない。LG時代はチームの暗黒期と重なり、KTへ移籍した直後の今年、古巣のサムスンがシリーズ進出を果たすという皮肉な巡り合わせもあった。悲願の舞台について問われると、彼はこう笑う。「少しは幸せな想像もするようになったけど、韓国には『キムチの汁から先に飲むな(=捕らぬ狸の皮算用)』という言葉があるからね。最後まで油断は禁物だよ」。

ABS(自動ボール判定システム)の導入でサイドスローが不利になると囁かれる中、「自分が横から投げているからといって難しく考える必要はない。同じマウンドだ」と一蹴するベテランの存在は、間違いなくチームの精神的支柱となっている。

1点差の死神、どん底から這い上がった鉄腕

KTでウ・ギュミンが躍動する一方、サムスン・ライオンズでは36歳の右腕クローザー、キム・ジェユンが「鉄壁」の称号をほしいままにしている。

彼の最近の投球は圧巻の一言に尽きる。5月8日のNCダイノス戦では、1点リードの9回裏に登板し、見逃し、空振り、見逃しと圧巻の3者連続三振(KKK)で新人先発投手の初勝利を死守。さらに翌日の同カードでも1点差の最終回を任され、またしても3者連続の空振り三振。まさに「1点差の死神」として相手打線に絶望を与え、KBO史上6人目となる通算200セーブの金字塔を打ち立てた。

順風満帆に見えるが、実は4月下旬には大スランプに陥っていた。SSG戦で制球を乱して逆転負けを喫し、一時はクローザーの座を剥奪されている。しかし、そこで腐らないのがベテランの凄みだ。二軍での調整期間を経て、5月に入ると5試合連続無失点、被安打ゼロという完璧なリリーフで鮮やかに復活を遂げた。

パク・ジンマン監督は「今のジェユンなら絶対に抑えてくれるという安心感がベンチにある」と絶賛する。「彼の直球は回転数が桁違いで、145キロ出ていれば打者には150キロ台に見える。スランプで一度ポジションを外された後、自分の居場所を取り戻すために相当な血の滲むような努力をしたはずだ」。どん底から這い上がり、再びマウンドの頂点に君臨するその姿は、プロとしての矜持そのものである。

嵐のように過ぎ去る「6週間」のサバイバル

このように百戦錬磨のベテランたちがチームの屋台骨を支える裏で、各球団のフロントは全く別の戦いを強いられている。それが今季の目玉とも言える「負傷代替外国人選手」制度だ。これは、既存の助っ人がケガで6週間以上の離脱となった場合、その期間だけピンチヒッターとして別の外国人選手と契約できるというルールである。

この「6週間の短期バイト」とも言える枠組みで来韓した選手たちの明暗は、非常にくっきりと分かれている。

大成功を収めているのが、サムスンが獲得したオーストラリア出身の左腕ジャック・オローリンだ。マット・マニングの肘のケガに伴い合流した彼は、あっという間にKBOの水に馴染み、先発ローテーションの確固たる一角に定着。球団から契約延長を勝ち取った。また、KIAタイガースにやってきたアデルリン・ロドリゲスも凄まじい。マイナーリーグとメキシコでアーチを量産してきたこの大砲は、来韓直後から放った4本の安打すべてがホームランという離れ業を演じ、正式契約への昇格を猛アピールしている。

しかし、現実は厳しい。右脇腹痛のライリー・トンプソンに代わってNCに加入したドリュー・バーヘイゲン(防御率4.68)や、ハンファのジャック・クッシング(防御率4.82)、斗山のウェス・ベンジャミン(防御率4.43)といった面々は、本来のパフォーマンスを発揮しきれず、契約満了とともに静かにチームを去る可能性が高い。

さらに悲惨なケースもある。SSGにやってきた日本の独立リーグ出身、平本金次郎は、デビュー戦で3イニング6四球6失点と大炎上し、首脳陣を頭抱えさせた。キウムのケニー・ローゼンバーグに至っては、ビザの発給遅れにより42日間の契約期間のうちすでに半分以上を無駄にしており、一体何試合投げられるのかすら不透明な状況だ。

経験と実績でマウンドを支配する国内の老将たちと、自らの野球人生を懸けて「6週間の試れ練」に挑む異邦の助っ人たち。マウンドに立つ彼らの背景は全く異なれど、一球に込められた執念の交錯こそが、今季のペナントレースをこれほどまでに予測不能で、そして魅力的なものにしている。

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